おらの気まぐれ、及び時間不足により
何度かに分けてお送りしていた
佐渡渡航記もこれが最終回(にする予定)
観光バスの運転手さんの奨めに従い、
おらがたらい舟体験の場所に選んだのは…
矢島・経島
小木海岸にあり、矢島、経島と2つの島が浮いています(写真左奥)

ゴールデンウィークが終わったたらい舟の里は、
やっぱり貸し切り!!
波一つない穏やかな海岸
底までしっかり見える透明な海水
まさに絶好のたらい舟日和です
さて…今回佐渡を訪れるにあたり、
絶対にたらい舟体験をしたいと思ったのには理由がありました
それがこの本(↓)
「佐渡のたらい舟」ダグラス・ブルックス著
(財)鼓童文化財団 発行@2003
http://www.kodo.or.jp/merchj/bookj/sosho01j.html

著者のブルックス氏はアメリカ人でありながら、
佐渡のたらい舟職人(故人)の唯一の弟子です
たらい舟に興味を持ち、来日して
藤井さんという佐渡の最後のたらい舟職人に弟子入りしました
しかし、藤井氏の弟子としてブルックス氏が技術を学んで帰国した後、
藤井氏は急逝
ブルックス氏は藤井氏が作っていた完成間近のたらい舟を仕上げるため再び来日し、
この本を書き記しました
本の前書きには…
「たらい舟づくりの技術は文字で記録されることなく、
常に師匠から弟子へ直接伝承されてきました。
弟子を見つけることが難しい時代に藤井氏のような職人を失うと、
伝統的な仕組みのもろさを認識させられます。
この本の目的は、たらい舟製造の技術を
できる限り完全な形で記録することです」
とあります
たらい舟製造技術を記録した本ですから、
おらのような素人には難しいカ所も多いのですが、
ブルックス氏がアメリカに帰国した今、
佐渡の現状がどうなっているのか興味がありました

たらい舟乗船体験は500円
1時間かけて漕ぎ方を学ぶ体験学習は1000円です
時間がなかったので、とりあえず500円で乗船
笠?をかぶった女性の船頭さんが、
どうぞどうぞと笑顔で乗せてくれます
入り江を1周した後、「漕いでみますか?」と言われ、

はいっ!この通り~
ちなみにほとんど進みませんでした(涙)
さて、乗船体験を終えたところで、
記者のムシがムズムズ…
おら、船頭さんを捕まえると、
「ダグラスさんを知ってますか?」とインタビュー開始!
ブルックス氏がどこで藤井氏と舟を造っていたのか、
おらは佐渡島ということ以外知りません
もしかしたら矢島・経島では無名の存在かも…と思いましたが
船頭の女性はすぐに
「ああ!藤井さんとこの外人さん!」
と即答!!
続いて
「あの外人さんがアメリカに帰っちゃったから、
たらい舟を作れる人がいなくなっちゃったんです」
ブルックス氏帰国後、
佐渡の現状は変わっていないようです…
でも、船頭さんは続けてこうも言いました
「講習会を開いて舟作りを学んでるんですけど、なかなかねぇ…」
伝承技術の後継者不足はたらい舟に限らず、
どこの世界でも同じこと
しかし、ブルックス氏の努力は決して無ではないようです
たらい舟の作り方は本の形で後世に残り、
いつか、この本を見て新たな職人さんが生まれるかもしれません
そう思うと、たらい舟の未来に一筋の光が差したようです

舟を下りて、海岸から橋でつながっている島を散策していると、
午後の日差しの中、漁をする一艘のたらい舟が…
人目も気にせず、のんびり漁をするその姿はとても美しかった
時間を忘れて見とれてしまいました
でも、1泊2日の新潟の旅もここが最後の訪問地
レンタカーで急ぎ両津港に戻り、夕方の船で新潟に帰らなければなりません
気が付けば、朝ご飯も昼ご飯も食べてなかった…
気になることがあると、食事も時間も忘れてしまうのはおらの悪い癖です
帰りのジェットフォイルの中でパンをかじりながら、
駆け足で回った佐渡旅行を振り返ってみました
古くは流人の島として知られた佐渡島
訪れるまでは、うら寂しく暗いイメージを抱いていました(失礼!)
ところが、
朝一で出合った明るく楽しいガイドさんと運転手さん
佐渡に流された順徳天皇の影響を受けた京風文化
島内には日蓮聖人を奉る日蓮宗のお寺がいくつもあり、
世阿弥の伝えた能を今も楽しんでいる…
そこには、外からの文化を温かく受け入れてきた
佐渡の歴史が詰まっていました
それだけではありません
佐渡歴史伝説館で働くジェンキンスさんと
たらい舟づくりに訪れたブルックスさん
この2人の外人さんも、
佐渡島で当たり前のように受け入れられたのです
観光バスの運転手さんが知人の住まいを説明するのに、
「ひとみちゃんちの2軒隣り」と言ったときには
「誰だよ?」と思いましたが、
そうです
ひとみちゃん=曽我ひとみさん です
拉致被害者として日本中に知られている曽我さん夫婦も
ここでは当たり前のように「ご近所さん」です
人口約7万人
日本海に浮かぶ島・佐渡島
午前中のガイドさんの言葉がよみがえります
「これまで佐渡には大学がなく、
高校を卒業すると外に出ていかなければならなかったけれど、
今度、専門学校ができるんですよ!」
沖縄本島の次に広い面積を誇るこの島は、
ご多分に漏れず過疎化に悩んでいます
(今にトキの方が多くなる、と言われているそうです)
人口流出を食い止めるためにも、
大好きなふるさとの振興のためにも、
専門学校設置を喜んだガイドさんの言葉には
ふるさとを思う熱い気持ちがあります
でも、佐渡でおらが感じた
「よそ者を自然に受け入れる風土」は
ほかの場所とは比べものにならないほど強いものでした
佐渡島の人々がこのすばらしい伝統を受け継いでいく限り、
島を訪れる人は絶えないことでしょう
願わくば、観光客だけでなく、そのまま住み続ける人も多くいますように
楽しかった旅も終盤…
新潟港からJR新潟駅に向かう途中、
「日本海側で1番の高さを誇る」(友人談)
新潟コンベンションセンター「朱鷺メッセ」の展望台に立ち寄りました

日本海に沈む夕日
明日も明後日も、日は昇り、沈むはずなのに、
この一瞬がとても愛おしい
美しすぎる夕日を見ながら旅人はつい、黄昏れてしまったのでした!


by nene3
■ピアノメン